中国の水墨画


       ** 花鳥風月 **
水墨画の伝統と文化
雪 舟

雪舟は室町時代に活動した水墨画・禅僧です
(1420年生まれ)


雪舟は岡山県岡山市の隣で総社市の宝福寺というお寺で小僧時代を過ごし、涙でネズミの絵を描いた逸話は有名です。当時の画家達が中国に行かずに中国の風景を描く事に疑問を感じた雪舟は48歳の時に遣明船で中国へ渡り、やく2年間水墨画を学び、『画聖』と称せられるまでになりました。

日本人の画家として中国へ渡ったのは雪舟が初めてである。しかし雪舟は「自分は絵を学ぶために明に渡航したがそこには求める師はいなかった」と伝えられています。87歳で亡くなるまでの作品の大部分は中国風の水墨画(山水画)です。宋・元の古典や明代の画風を吸収しつつ、帰国後は日本各地を旅して写生に努め、日本独自の水墨画風を確立しました。

雪舟の作品には『秋冬山水図』『山水長巻』などがあります。そのがっしりした構成・淡彩の中の優れた色彩感は明澄で簡潔を尊ぶ禅の精神と一致する物として水墨画の最高峰とされ後世の画家達に今なお強い影響を与えています。雪舟は漢画を超越して日本画様式の画風を創始した画家です。そして中国絵画の影響を消化しつつ『天橋立図』のような日本の実景を題材にした独自の水墨画を制作しました。

現存する作品のうち6点が国宝に指定されるなど、日本の絵画史においては格別の高い評価を受けています。

    【 国 宝 】

『 山水長巻 』  毛利博物館
『 秋冬山水図 』 東京国立博物館
『 破墨山水図 』 東京国立博物館
『 天橋立図 』  京都国立博物館
『 彗可断図 』  愛知県・斉年寺
『 山水図 』   個人蔵

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